経営方針
中期経営方針
更新:2025年5月14日
中長期の経営戦略
(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応)
当社グループは、これまで培ってきた独自技術と他社の独創的な最先端技術やノウハウとを融合させることで、より付加価値の高い製品やサービスの創造に取り組み、顧客の課題を解決するソリューションを提供してまいります。主力事業であるアミューズメント事業の事業基盤を強化しつつ、成長市場である産業機器分野、通信機器分野等をターゲットに経営資源を集中的に投下し、ASIC・ASSP事業の拡大と新規事業の育成により事業構造転換を推進してまいります。
あわせて、自社の資本コストを把握した上で収益性や資本効率性を高めること、投資家との建設的な対話により市場評価を高めること、また、企業活動を通じたサステナビリティに関する取り組みを積極的に推進することで、会社の持続的成長と、エレクトロニクス産業の発展への貢献をともに実現していく考えです。
今後の中長期においては、主力のアミューズメント事業と、ビジネスモデルの異なるASIC事業、ASSP事業の三つの事業を柱として事業ポートフォリオを強化するとともに、次世代を担う新たな事業の育成にも注力し、さらなる成長力と収益構造の強化を図っていく考えです。
各事業においては、国内はもとより、北米、アジアを中心とした海外展開を推進するとともに、新技術の獲得、当社技術との融合、最先端技術によるソリューションの創造、新市場・顧客の開拓などを狙いとして、国内外の大学との共同研究開発や、最先端の技術やアイデアを持つスタートアップ企業に対しての事業投資や戦略的提携を推進し、独自性のあるビジネスの創出と事業化につなげていく考えです。
また、投資家との対話を重視するとともに、安定配当と自己株式取得を中心に株主還元の強化を図り、経営基盤の磐石化を図ります。
中長期で目指す姿としては、収益力と資本効率性の目標としてROE8%以上を達成し、企業価値の向上を図ることで、市場評価の目標としてPBR1倍以上を達成できるよう取り組んでまいります。
- アミューズメント事業
主力事業であるアミューズメント事業においては、引き続き顧客密着型の提案活動とサポート体制を強化することで、さらなるサービスの向上に努めるとともに、シェア獲得や製品の安定供給のため、パートナー企業や製造委託先等との情報連携や生産体制の強化を図り、サプライチェーン全体が盤石なものとなるように取り組むことで、これまで以上に主要なサプライヤーとしての地位を確実なものとし、安定した売上と収益の確保を目指します。 - ASIC事業
ASIC事業については、これまでの主力であったコンシューマ機器分野やOA機器分野等を中心とした事業展開に、産業機器分野と通信インフラ分野を新たな成長ターゲットとして加え、引き続き事業の拡大に取り組みます。今後は、これまで培ってきた上流設計やアナログ技術、特に当社が得意とする通信インターフェース技術、セキュリティ技術や画像処理技術などを活用し、画像関連機器・FA機器・通信インフラ機器向けの製品開発を進め、順次量産化してまいります。あわせて、国内に加え海外(北米・アジア地域)における市場開拓とビジネス獲得にも注力し、中長期における継続的な増収増益を目指します。 - ASSP事業
ASSP事業においては、オーストラリアのMorse Micro社との戦略的提携による通信ビジネスの本格量産化を進めております。この通信ビジネスにおいては、当社がこれまで培ってきた有線通信技術と、約1kmの非常に長い通信距離と低消費電力を実現したMorse Micro社の無線通信技術によって、LSIやモジュールを提供し顧客のニーズに応じた幅広い通信ソリューションによる事業展開を進めております。
あわせて、最先端の技術やアイデアを持つスタートアップ企業に対しての事業投資や戦略的提携を推進し、日本国内及び海外(北米・アジア地域)において、新市場の開拓や新製品の開発を積極的に推進することで、新規事業の事業化を目指します。
サステナビリティに関する取り組み
当社グループは、より豊かで安心な持続可能な社会の実現に向けて、「社会・環境・人にやさしい会社」として、法令・社会的規範等の遵守、優れた製品の提供による社会貢献、人権の尊重とダイバーシティの推進、取引先・サプライヤーとの公正な取引、ステークホルダーの尊重、自然環境の保全への貢献といった様々な課題に取り組んでまいります。
- 人材育成と社内環境の整備
多様な人材が仕事と生活のバランスをとりながら、付加価値生産性を高められるよう、人材の育成・ダイバーシティの推進、社内環境の整備に取り組みます。
人材の育成・ダイバーシティにおいては、階層別教育、テーマ別研修等の教育体系の拡充、通年採用制度による多様な人材の採用、グローバル人材の育成、新卒採用活動におけるインターンシップ機会の充実などの施策を推進します。
社内環境の整備においては、育児休業制度、育児時短勤務など多様な働き方に対応した制度の充実と利用促進、従業員の健康維持を目的としたストレスチェックや女性の健康に関する勉強会の実施や有給休暇の取得促進等、全ての社員にとって働きやすい環境づくりに取り組みます。 - 自然環境保全のための取り組み
自然環境保全のため、地球温暖化対策や環境負荷の低減に配慮した事業活動を行います。
製品の研究開発においては、高速処理化、小型化、低消費電力化といったLSIの機能や品質の向上に取り組み、環境に配慮した製品づくりを推進します。また、オフィスのエネルギー消費や廃棄物の削減などの活動にも取り組みます。
自社製品の生産委託先企業に対しては、有害化学物質の使用に関する指針の順守、二酸化炭素や有害物質の排出基準の順守の徹底を要請するなど、持続可能なサプライチェーンの構築に継続して取り組みます。 - 社会貢献活動
自然環境保全のため、地球温暖化対策や環境負荷の低減に配慮した事業活動を行います。
日本の国力の基礎となる若者の支援として、国内の大学への寄付や共同研究・委託研究といった交流を通して、日本のエレクトロニクス分野で次世代を担う優秀な人材を育成するための支援に取り組むとともに、研究活動を通じて先端技術の創出を促進します。
また、エレクトロニクス分野における技術者の多様化の一環として、将来の優秀な女性技術者の育成に向けて女子大学への支援を行う他、2024年度創設の「株式会社メガチップス 理系女子学生就学支援奨学金」により、返済不要の給付型奨学金による経済的支援を推進いたします。